ウーハーの重低音は迷惑か?
迷惑です!
と、言い切ってしまっては身もフタもない
ので、ちいとお話を。
まず、前提として。
世の中には、物音に敏感なタイプの人と
鈍感なタイプの人が存在します。
わしは、敏感なタイプですが、このタイプ
の人は、自分でも神経質だなあと思って
しまうほど、耳が、あれやこれやの物音を
拾ってしまいます。
気にならないときは、全然気にならないん
ですけどね。
いっぺん拾ってしまうと、気になって気に
なって、ダメなんですよ。
こりゃもう、体質みたいなものですな。
かたや、物音にまったく無頓着なタイプ
もいますよね。
こういう人たちは、聞こえてて気にしない
のかと思ってたら。
どうやら、わしらに聞こえるような物音は
聞こえていないようです。
耳がいいとか、悪いじゃなくてね。
拾う音の種類が違うみたいです。
で、共同住宅、集合住宅の場合。
必ず、この2タイプの人間が、共存して
いるわけで。
騒音トラブルは、ほとんどの場合、この
2タイプの争いなのです。
もう一つ、前提を。
ウーハーによる重低音というのは、
普通の高中低音とは、質が違います。
これは、きちんと防音対策を施さないと
窓や壁、柱を震わせて、低周波音を
発生させてしまうんです。
この低周波音は、耳栓をしても、防げ
ない音なんですね。
骨伝導してしまうので、耳栓をして、
他の音を遮断すると、逆に、その音
だけが響くなんてこともあったりします。
普通の低音では、よほどの大音量で
再生しない限り、壁まで振動させると
いうことはないんだけど、
ウーハーによる重低音は、ちょっとの
音量でも、壁や床、窓を震わせます。
また、これは、水を張ったグラスなどを
置いて確かめないと、意外と設置した
部屋にいる本人はわからないもの。
そんな、わからない程度の振動も、
他の部屋には、壁や柱伝いで響いて
しまうわけです。
この振動を防ぐには、結構な防音対策
を必要とします。
そのために、スピーカーをブロックの上に
置いたりしますけど。
ブロックに置いたぐらいでは、多少マシに
なる程度で、実のところ、振動は、防ぎ
切れてないんですよ。
防音対策を施していないアパートやマン
ションでは、よほど工夫しない限り、AV
機器を買った金額と同等以上のゼニを
かけないと、防音は無理でしょうな。
と、この2つの前提を置いた上で。
ハッキリ言いましょう。
きちんと防音対策を施す気がないなら
共同住宅、集合住宅では、ウーハーを
使わないでもらいたい。
迷惑です!
低周波音が伝ってきている部屋の中は
寺の鐘の真ん中にいて、ずっと、鐘を
撞かれているのと同じようなもの。
骨伝導するから、ずっと頭ん中でモワッ
とした音が、グォーングォーンと、鳴り
響いてるわけですよ。
これは、けっこうな苦痛です。
まだ、車の騒音の方がマシ。
地味~に響き続けるわけですからねー。
額に水滴をポトポトと落とされる拷問を
受けてるような気分です。
でもね。
一方的に使うなとは言わないですよ。
そりゃあ、休日の昼間くらい、そういう
音で聴きたいでしょう。
そのくらいは、ガマンします。
問題は、静かになってくる夕方から夜。
さすがに、夜中に低音を響かせるような
非常識さんはそうそういないけど、常識
的に使ってる人でも、このあたりは気が
つかないようで。
静かになると、よけいに振動は、響くん
ですよね。
で、わしらみたいな敏感タイプは、必ず
その音を拾っちまいます。
それに、案外イヤなのが、男性のしゃ
べる声。
低音がモワモワと響くのは、すんごく
気持ち悪い。
普通のテレビやラジオの音声くらい、
ウーハーなしでいいでしょうに。
低音を効かせすぎると、かえって声は
聞こえにくくなると思うんだけどね。
オーディオに関しての騒音のトラブルや
苦情はめったにない、
という人たちもいるけど。
わしみたいにガマンしてる敏感タイプの
人は、けっこう多いと思いますよ。
言わないだけで。
わしも、ズンズン響くベース音なんかは
好きだから、気持ちはわかるけど。
物音に敏感なタイプが必ず共存してると
いうことに、ちと想いを馳せてくれればな、
と思うたりもしますよ。
ああ、それと。
防音対策をしてるのに、振動を発生させ
てるというのは、バランスの調整に失敗
しているせいです。
重低音ってのは、出力を大きくしすぎて
も、小さすぎても、うまく聞こえなくなる
んです。
多くの人は、十分に出過ぎてる重低音
に中高音を合わせるので、全体の音が
大きくなりすぎるようですね。
バランスを整えるときは、まず、ウーハー
を切って、中高音を小さめに整え、それ
から、低音域を調整すれば、ほどよい
感じで重低音が響くようになります。
ほどよい重低音なら、普通の防音対策を
施していれば、窓や壁を振動させることも
ないはずなんですけどね。
そのへんもまた、感覚というか、センス
なのかもしれないですな。
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